嫌われる3つの職業
学校の先生は特に要注意
積水ハウス、大和ハウス、野村不動産、住友林業、ナショナル住宅、ミサワホーム等の日本を代表するハウスメーカーの協力業者として住宅外構工事を請け負った経験がある。
仕事上の付き合いの中でふと、ハウスメーカー社員の本音を聞くことがある。
工事の進行上、手こずる相手の職業にかたよりがあるらしい。
1番に学校の先生、2番に成功した中小企業の社長、3番に医者、この職業のお客さんには特別に気を使うという。特に学校の先生は要注意だとのこと。
この職業の人は、日常接触する人間関係は常に自分が上位にあるのが必然だ。
先生と生徒、社長と社員、医者と患者、常に自分が上位だ。工事に何らかの問題が
発生したとき、自己の主張を押しとおし、相手の説明を聞き入れないという。
学校の先生は教室に入ってしまえば、大勢の中で自分が一番偉い存在だ。
成功した中小企業の社長は自分の成功体験に絶対の自信を持っている。ワンマン社長タイプ。患者にとって医者は絶対の存在だ。
ぺこぺこ頭を下げる職業ではないことがこの3者の共通項だ。
実際の体験談
ある時、住友林業から新築住宅の車庫を作ってほしいと連絡があった。
すると従業員の一人が、「あの現場はやめといたほうがいい」と云った。
理由を聞くと
従業員「自分の家がその近くで毎日、その新築現場の前を通っているけど、屋根まで出来たのに基礎迄壊してやり直した現場だ。絶対おかしいよ。」
断り切れずに工事を請けると、普通乗用車1台分の駐車場なのに、11トンの大型トラックでも駐車させるのかと思える程の超オーバースペックに驚いた。
プールが出来るほどの穴を掘って基礎を作り、鉄筋を二重に組みコンクリの厚みは通常の2倍と云う具合であった。戦車が乗っても大丈夫と思われた。
工事が終った翌日、住友林業の現場担当者から電話がかかってきた。
「昨日打ったコンクリート、全部撤去して最初からやり直してくれ」費用は無しだという。
ふざけたこと言うな、馬鹿野郎!である。・・・口には出さなかったけれど・・・
理由を尋ねると、工事完了した夜に雨が降ったので、コンクリートの強度が心配だからとお客さんが云っている、とのこと。
早速現場に行って見ると、コンクリートの状態は昨夜の短時間の霧雨の影響は全く受けていない。コンクリートを打ってから大分時間がたってからの霧雨じゃ影響を受けるはずもない。ましてやコンクリート強度に影響などあるわけがない。
元請けの現場責任者なら、そのくらいの説明ぐらいしろ!
コンクリート表面に異常は見られないし、強度にも関係なしと報告すると、
毎日、釘を何本使ったか確認するお客様
現場担当者は「毎日、釘を何本使ったか確認するお客さんだからね~。」とあきらめ口調で、ぼやきながらお客さんを説得してみると言って電話は切れた。
説得の結果、コンクリート部分全面に、うすくモルタルで再仕上をすることで話が付いた。
乾いたコンクリートの上に薄いモルタル仕上げをしたらどうなるか、お客さんは気付いていないらしい。
コンクリートとモルタルが分離して、おせんべいが割れるように表面がバラバラになる。請負外の別途工事のはずだが、施工者の責任内とされ追加費用は一切出ない。
接着剤を使えとは一言も言われていないが、コンクリート面に接着剤を丁寧にぬりモルタルをかけた。これで割れる心配はない。
庭にひときわ目を引く大きなアルミ製の藤棚が完成していたが、解体作業がおこなわれていた。請け負った業者は大損害だろう
この現場では全ての完成した建造物は一度解体され、やり直しさせられている。最小の被害で免れたのはウチだけだったかも知れない。
うっかり、お客さんの職業は聞き洩らした。

ここまでひどいのは、30年の在職期間で1回だけ。
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